京大入試の現役生と浪人生(2020年度一般入試)

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加速する浪人生の減少

京都大志願者の浪人数は、2014年度の3,160人より減少傾向にあり、2020年度は2014年度比で、20%減の2,530人で2018年度からの最低値を更新しています。2021年度からの新入試を見据えて、浪人回避型の受験校選びをする人も出てくると考えられていましたが、今年のセンター試験平均点の低下で、よりその意識が高まったことでしょう。

浪人生の志願者数と入学者数の推移(一般入試前期)

浪人志願者は、現役志願者が多かった翌年に増えるケースがあり、2014年度の浪人生の多さは前年の現役志願者が多かったことによります。2020年度の浪人志願者が減少した背景には、前年の現役志願者が低調な状況にあったことも一因です。この現役志願者の伸び悩みが続く限り、浪人生が増加に転じることは今後も考えにくいでしょう。

浪人生の入学者数はその志願者数と連動していて、2014年度が1,196人と多いのに対し、2020年度は2014年度比で16%減の1,009人となりました。

浪人生の増えた学部はわずか

現浪別志願者・入学者 前年比(一般入試前期)

2019年度と比較して、浪人志願者は全体で8.9%の減少で、経済学部で増加(+7.3%)した以外は減少となりました。浪人入学者も全体で6.4%の減少、増加は総合人間学部(+2.3%)、文学部(+3.3%)、理学部(+16.0%)の3学部のみでした。

2020年度は浪人生が勢いを欠いたことで、現役生の入学者が増えた入試結果となりました。

入学者の現役割合は薬・医・理が高い傾向、人間健康が低い

2020年度 一般入試前期 学部別入学者の現役割合(高い順)

現役生にとって浪人生は強敵であり、2,500人を超える浪人志願者が存在し、2020年度は約1,000人が入学しています。とは言え、入学者の6割は現役生で学部別に見ると圧倒的に現役が強いところもあります。

2020年度の現役入学者は1,710人で、現役入学者の割合は2019年度(60.3%)より約3ポイント上昇し、62.9%となりました。現役入学割合の高い学部は薬学部(75.0%)、医学部医学科(67.0%)、理学部(65.3%)となっていますが、前年度も同じ学部が上位を占めています。

医学部人間健康科学科 浪人志願者数と入学者

最も現役割合の低い学部は医学部人間健康科学科(55.1%)となっています。浪人志願者は減少したものの入学者数は底堅く推移していて、現役割合は押さえられています。

いよいよ2021年度は共通テストが実施されます。 新入試に対する受験準備の出遅れ感は浪人生、現役生とも共通する部分でもあります。不安感が先行すると、難関大の競争率は今年以上に低下する可能性も出てきます。志望を変えず着実に対策をする受験生に追い風の入試環境が到来することにもなるのです。ぜひ、2021年度京大入試は強気でチャレンジして欲しいと思います。