2024年度・2025年度入試から「女子枠」導入、募集人員総数は変わらず
東京工業大学が、2024年度入試より総合型・学校推薦型選抜に「女子枠」を導入することを公表しました。2024年度入試では58名の募集枠(物質理工学院、情報理工学院、生命理工学院、環境・社会理工学院)を新設し、2025年度入試ではさらに85名の募集枠(理学院、工学院)を設け、合計で143名の「女子枠」が導入される予定です。
これに関連して2025年度入試までに理学院[総合型]、生命理工学院[学校推薦型]が新設され、「女子枠」は、生命理工学院を除く5学院では総合型選抜、生命理工学院は学校推薦型選抜に設置される予定です。
また、理学院・工学院[総合型]は「女子枠」のみの募集となる一方、生命理工学院[総合型]・理学院[学校推薦型]は「一般枠」のみの募集となります。
女子受験生は総合型・学校推薦型選抜において、「女子枠」だけでなく「一般枠」も併願できるので、男子よりもチャンスが多いことになります。2025年度入試以降、「女子枠」は募集人員全体の約14%を占めることになり、現在約13%である入学者の女子比率が20%以上に増加すると見込まれています。
なお、「女子枠」の導入によって募集人員総数が変わることはなく、主に一般選抜の募集人員が減少することになります。
試験内容などにも変更あり、「女子枠」には追加で求められることも
入試方法は、これまでと同様に共通テストの受験が必須となっていますが、いくつか変更点も見られます。全学院で変更になる見込みであるのが第1段階選抜の予告倍率で、工学院・物質理工学院では約2~3倍から約1.5倍になるなど、やや厳格化される予定です。
また、物質理工学院では、「一般枠」では共通テストの成績をすべて素点通り扱うのに対し、「女子枠」では理科と外国語の成績のみ1.5倍換算と、「一般枠」と「女子枠」で扱いが異なります。
個別試験も学院によっては変更される予定です。例えば工学院・物質理工学院[総合型]は、現行(2023年度入試)の「筆記」+「面接」から「面接」のみ(+共通テストの成績)へ変更されます。一方、新設となる理学院[総合型]は「筆記(数学のみ)」+「面接」(+共通テストの物理・化学の成績)が実施されます。
選抜区分によっては「筆記」への対策が不要になりますが、「面接」で数学や理科に関する深い知識等が問われることには変わりありません。また「一般枠」と「女子枠」が併存する選抜では、「女子枠」のみ活動実績報告書の提出が必要であったり、「面接」で女性活躍社会に貢献するために学びたいことなどを説明する能力が評価されたりと、「一般枠」に+αの要件が求められます。
ただし今後変更になる可能性もあるので、確定情報は2023年7月頃を目途に公表される募集要項での確認が必要です。出願を検討する方は大学HPで最新情報もチェックしておくと良いでしょう。
また、東京工業大学は、2024年度中を目処に東京医科歯科大学との統合も予定されています。大学統合時は収容定員等には変更はなく、2028年3月までが移行期間と捉えられているため、直近の大学入試に大きな影響が生じることはないとみられますが、これについても大学が発信する情報を注視しておく必要があります。