2025年度入試から共通テストは「情報」を含めた6教科8科目が原則に
2022年度(2022年4月)から新学習指導要領が施行され、2022年の高校1年生が臨むことになる2025年度入試から大学入試も大きく変化します。特に大多数が受験する大学入学共通テストは6教科30科目から7教科21科目に再編されますが、その中でも新設される科目として注目されるのが「情報」です。
「情報」に関しては、2021年3月24日に大学入試センターから出題教科・科目として予告、2022年1月28日に国立大学協会から「2024年度以降の国立大学の入学者選抜制度―国立大学協会の基本方針―」が公表されました。この方針の中で、これからの社会に向けた人材育成の中で全ての学生が身に付けるべき教養として「数理・データサイエンス・AI教育」が普及しつつあり、大学教育を受ける上での必要な基礎的な能力の一つであることから、「情報」を出題科目に加えることが明言されました。
これによりすべての国立大学の一般選抜第一次試験で、原則としてこれまでの5教科7科目に「情報」を加えた6教科8科目が課されることになります。また、「情報」導入初年度となる2025年度入試は、既卒者への経過措置として現行の学習指導要領に即した「旧情報(仮称)」も出題されます。
今後、上記の方針を踏まえて、2022年度中に各国立大学から具体的な入学者選抜方法の予告・公表が行われる予定です。「情報」の扱いは大学によって異なりますので、各国立大学が公表する内容を早めにキャッチして入試に向けた対策を取ることも重要になりそうです。
また、公立大学や私立大学は国立大学と異なり必ずしも共通テストでの全教科受験を必須としておらず、「情報」が入試科目として採用されるかも大学により異なるので、これについても各大学を注視しておく必要がありそうです。
加えて、「情報」を含めた2025年度入試から科目構成が大きく変わる教科・科目(地理歴史、公民、数学、情報)については、2022年秋~冬に大学入試センターから共通テストの試作問題が公表される予定です。
共通テスト導入の際は事前に行われた「試行調査」から問題傾向が変わった部分もありますが、初めての入試に臨むにあたっては重要なサンプルとなりますので、試作問題にも目を通す意識を持っておくと良いでしょう。