国公立大医学部 2021年度志願状況(関西中心)

医学部前期の志願者数最多は 愛媛大531人

2021年度入試は共通テスト後の自己採点段階で志望大の合格可能性が読みにくかったことや、公民と理科②の科目で得点調整が実施され、受験校選定途中で自己採点に変化が生じたことなど、出願締切直前まで志願者の動きを注視する受験生も例年以上に多かったことと思われます。

関西を中心とした医学部医学科26校の志願状況を見ると、前年より増加した大学が15校で半数を上回りました。志願者数は「北陸・東海」「近畿」「中国・四国」のいずれの地区でも増加となり、減少基調にあった医学部出願に歯止めがかかった結果となっています。なかでも比較的難易レベルの高い大学が集まる近畿地区での増加校が6大学あり積極的な出願が見られます。

志願者の動向として、前年度倍率の下がった大学での増加が見られます。信州大、和歌山県立医科大など。和歌山県立医科大は前年全国で最低倍率(2.2倍)であったため、志願者数が前年より1.4倍増となりました。

定員変動による志願者増は、香川大、愛媛大です。いずれも後期日程が廃止され、前期募集人員が香川大20人増、愛媛大15人増となったことで志願者も集まりました。愛媛大は前年度のボーダーラインが低め、2次配点比率が高い、第1階選抜が6倍と緩い、などが重なり医学部前期志願者では最多の531人を集めました。結果として第1段階選抜が実施され201人の不合格者が出ました。

一方、前年高倍率であった大学では敬遠傾向が見られます。福井大、岐阜大、浜松医科大、島根大などが減少しています。

国公立大医学部医学科前期 志願者数と志願倍率(関西中心)