京大理科の特徴と傾向分析・学習アドバイス

試験概要

試験時間 教育(1科目):90分、他学部(2科目):180分
大問数 物理:3問 化学・生物:4問

【学部ごとの選択可能科目・配点】

学部 選択可能科目 選択科目数 配点/満点[個別試験]
教育(理系) 物・化・生・地 1 100/650
総合人間(理系) 物・化・生・地 2 200/700
物・化・生・地 2 300/975
物・化 2 250/800
医学部 医学科 物・化・生 2 300/1000
医学部 人間健康科学科 物・化・生 2 200/750
物・化・生 2 200/700
物・化・生・地 2 200/700

Ⅰ 京大理科の特徴と傾向分析

※「地学」を除く「物理・化学・生物」について、特徴と学習アドバイスを掲載しています。

物理

例年、力学と電磁気から1題ずつ、もう1題は熱力学または波動がほぼ1年おきに出題され、原子分野の出題頻度も高めです。空欄補充の形式で文字式や数式を求める設問と、計算過程やグラフを記述させる形式の設問が各大問で出題されます。

長大な問題文によって高度な物理的考察が進められていく独特の形式で、状況を把握する段階で物理の原理についての正確な理解と読解力が必要です。そのうえ煩雑な計算をこなして正しい結果に至らない限り得点は望めません。

さらに、解答量や計算量はここ数年増加傾向にあり、2科目めも念頭に置きつつすべてを時間内で解答するのはかなり厳しいです。できる問題を確実に解いていく戦略が必要です。

化学

例年4題の中に理論・有機・無機がバランスよく散りばめられ、また大問が(a)と(b)に分かれる場合も多く、出題テーマとしては6~8題程度出題されています。

知識や単純な計算だけでなく、論述や構造式の立体的な描図、計算過程を書かせる問題もあり、多様な表現力が必要です。初めて見る化学現象を問題文から理解したり、結晶や有機の構造を立体的にイメージしたり、当然計算量も多いので、思考を組み上げたり、計算を処理するスピードも必要です。2科目分の時間配分の戦略をよく練らないといけません。

生物

例年、大問は4題ですが、異なるテーマの(A)と(B)に分かれるので、実質の大問は6~8題とみなすことができます。ほとんどの問題が分子遺伝学的分野とからむのは、近年では京大に限らず多くの大学で見られます。

逆に現行の指導要領では扱いが小さくなった遺伝の計算問題を、大問として出題するのは京大独特の傾向といえます。論述量はここ10年多い状態が維持され、東大とは対照的です。