2021年度共通テスト(1/16・17実施) 平均点(中間集計) 

主要3教科合計は前年比プラス16点、当初予想と異なる平均点

大学入試センターは1月20日に各科目の平均点(中間集計)を発表しました。それをふまえ主要科目について前年度の平均点(センター試験中間集計)と比較してみましょう。

主要3教科(国語・数学・英語)を見ると、数学の平均点が上がったことが影響し、合計平均点は前年比+16.19点、約5%アップしました。理系・文系5教科型で比較的選択科目の多い組み合わせでは、理系7科目パタンで+4.59点、文系8科目パタンで+11.95点といずれもアップし文系でのプラス幅が大きくなっています。理系での上昇が抑えられたのは主に地理Bの平均点が下がったことによります。地理Bの-5.42点は、今回の試験で最も下がった科目となっています。

数学Ⅱ・Bは問題文を読む量が増えた一方で、計算量が減ったこともあり平均点が前年比+11.27点となり6割台にまで回復しました。数学Ⅰ・Aでは解答時間が10分増え新傾向の問題も出題されましたが、内容自体は難化したわけではなく+5.95点となりました。この数学2科目合計17.22点の上昇が、主要3教科合計の平均点を押し上げた要因となっています。当初、センター試験が共通テストに変わることで平均点は低下するのではないかとの見立てもありましたが、結果として大きな混乱のない点数となっています。

問題内容の変更で難しくなると予想されていた英語は、リーディングで前年並み、リスニングも若干のダウンに落ち着いています。英語の合計点は前年比-0.51点と変化は見られませんでした。ただ、リスニングについては過年度の平均点の変動幅を見ると、いつ大きく下振れしてもおかしくない科目であることに変わりはありません。

第1回目の共通テストは思考力や判断力を重視する傾向、生徒の学習場面を想定した問題設定など問題作成方針に則った出題がなされています。また、問題文や資料点数が増え、制限時間内に素早く正確に読み解く読解力が要求されていることもわかります。現在は次期学習指導要領の移行期間にあって、次年度以降も出題形式の変化や難度が高まることへの備えはしっかりしておく必要があるでしょう。