神大と関学 2021年4月学部設置構想

兵庫県内の人気大で新学部設置の予定があります。いずれも2021年4月に神戸大(神大)で海洋政策科学部、関西学院大(関学)で建築学部など4学部が設置される見込みです。

神戸大 海洋政策科学部(2021年4月設置予定)

神大は既存の「海事科学部」を発展的に解消し「海洋政策科学部海洋政策科学科」として設置する予定です。

洋上風力発電や海底資源探査など海洋産業に対応できる人材を養成するほか、行政機関等で海洋政策立案に寄与する力を身につける教育が期待されます。学科には3つの領域(海洋ガバナンス・海洋基礎科学・海洋応用科学)が置かれ、主・副専門領域を自由に選択することが可能です。三級海技士免許の取得希望者は、指定科目が多いので、海洋ライセンスコースで学ぶことになります。入学定員は200人で、文系・理系両方から志願できる受験型が用意されています。学部のルーツは1917年設立私立川崎商船学校に始まり、官立神戸高等商船学校昇格(1920年)、国立神戸商船大学設置(1952年)を経て、2003年神戸大と統合し、神戸大海事科学部となりました。

関学 学部新設・再編等で変わる募集人員

関学は現在の理工学部を理学部・工学部・生命環境学部に再編し、建築学部を新設します。

工学部では課程制が導入され、分野を横断するカリキュラムが構築されます。「物質工学」と「電気電子応用工学」、「情報工学」と「知能・機械工学」ではそれぞれメジャー・マイナー制度を採用し、2分野を行き来しながら学ぶことで複眼的視点を育てます。建築学部でも、総合政策学部との間でメジャー・マイナー制度が導入され、理系・文系両方の視点から学びの実現を目指します。

入学定員は理学系・生命環境系および総合政策学部で減員され、建築学部の設置と工学部情報系の増員にあてられます。また、理学部は1961年開設時の学部名に戻ることになります。

両大学の新設に共通するのは、メインキャンパスに無い学部の改革であるという点です。神大海事科学部は深江キャンパス(神戸市東灘区)、関学理工学部・総合政策学部は神戸三田キャンパス(三田市)が拠点です。また、文理融合の教育カリキュラムでも共通しています。現代社会の諸問題の解決には、専門的知見だけでなく、他分野の知識を加えた総合的・複眼的な視点が求められます。少子化で受験生が減少するなか、社会のニーズに対応できる学部設置・再編は、学生募集上も必要な取り組みであると言えます。