募集人員の少ない建築、情報は志望動向に注意
2018年度入試は全体的に理系に比べ文系学部の人気が高い“文高理低”の出願傾向が続くと予想されます。ただ、AIやIoTなどの話題が目につき第4次産業革命とも言われる時代の流れの中で、受験生の間でも情報系が注目されています。2017年度は京都大工学部で志願者を伸ばしたのは建築学科と情報学科でした。この2学科は工学部の中では募集人員が少ないので、志願者が増えると競争率が高倍率にぶれる危険性をはらんでいます。
2017年度の農学部志願者2割減は、センター試験国語の平均点ダウンが影響しています。2018年度のセンター試験国語の平均点も決して高い得点とはなっていないことからも(中間集計値で102.36点)、反転して志願者が大きく増えることはないでしょう。
総合人間学部理系は、センター試験の成績は地理歴史・公民から1科目のみ利用(100点)されます。2018年度のセンター試験地理歴史・公民は、平均点の上昇した科目が多く、合格水準は高まることが予想されます。
物理工と情報は合格者最低点上位の常連
工学部は出願時に第1〜第2志望まで学科を選択することができます。入試成績の高い順に合格者を第1、第2志望の学科に振り分けていくことから、合格者最低点を見ることで、どの学科が入りにくいか(易いか)を知る手がかりとなります。
過去5年間では、物理工学科と情報学科が常に上位に位置していることが分かります。2017年度入試では情報学科が、漸く首位を奪取した、と言える結果でした。それだけ受験生の間では情報系の人気が高まっていることのあらわれと言えます。
2018年度入試では、情報学科や隣接領域の電気電子工学科の人気は堅調でしょう。また、年始にはソニー「aibo」の復活が話題になりましたが、ロボットの普及拡大は続く見通しで人材確保の企業ニーズは高く、学びの幅が広い物理工学科の上位は変わらないと思われます。