2022年度 京都大学2次試験出題概要・学習アドバイス
出題内容・配点・試験時間
- 配点・試験時間
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大問 配点 試験時間 第1問 50点 120分 第2問 50点 第3問 25点 第4問 25点 ※配点合計は学部・学科によって異なる
- 出題内容
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大問 出題内容 第1問 長文読解(454語) 第2問 長文読解(595語) 第3問 和文英訳 第4問 自由英作文
出題概要・分析
京大入試を知るために、入試問題を印刷したらどうなるか考えてみましょう。例えば東大の入試問題を印刷すると25ページになる一方で、京大の問題は5ページですが、試験時間はどちらも同じ120分です。もちろん京大のほうが試験時間に余裕をもって解き終わる、という事実はありますが、それだけで説明できるほどページ数の差は小さくありません。
ページ数の差が表しているのは、第一に情報密度の差です。京大の英文は一つ一つの文構造が複雑であることが多く、一見すると「どれが主語か分からない」「どれが動詞か分からない」ことがあります。したがって一つの英文の意味を理解するまでに同じ英文を2回、3回と読むこともあるでしょう。さらに下線が引かれて問題になっている英文に至っては、4回や5回読み込むこともありえます。
一例を挙げると、2022年度の第1問は「the Anthropoceneについて説明しなさい」という問題です。これに正解するためには、前提としてanthropology「人類学」という単語を知っている必要があり、ここからAnthropoは「人類の」という意味だと分かります。その知識があって初めて、後ろにある-ceneの意味を考え始めることができます。
次にその直後の英文を読むと、the age of manという表現を目にすることになり、anthropo = man =「人類」であるため、-cene = age =「時代」だと分かり、the Anthropoceneが「人類の時代」であると推測することができます。このように前後からの類推によって意味を把握するなど、深く読解し理解することが求められます。
さらに、上述のように単語の意味を類推することはあくまでスタートラインにすぎず、京大が求めているのはここから先で何を考えるかです。それだけ密度が濃いのが京大入試であるというわけです。
学習のポイント
京大入試では、一見すると分からないものに対して、「今まで学んできたことを使えば分かるようになる。そのことを信じて前向きに取り組む」という姿勢が問われています。英文を読むときには、未知の内容が出てきたとしても恐れず積極的に取り組むことを常に意識しておくことが大切です。
しかし入試に臨むにあたって、当然ある程度の単語の意味や文法の規則は覚えておかなければなりません。the Anthropoceneの例でも、「anthropology」という単語を知らなければ類推することができず、絶対的に知っておかなければならない単語であることが分かると思います。確固たる知識を身につけることが、京大入試に臨むスタートラインに立つ条件です。