安藤正樹氏インタビュー

Special Interview

安藤 正樹 氏

株式会社リクシィ代表取締役社長
安藤 正樹 氏

2003年 京都大学法学部卒業。在学中から創業メンバーとして株式会社ドリコムに参画し、営業取締役として事業を拡大、東証マザーズ上場に貢献。2009年、ブライダル事業を行う株式会社エスクリに入社。結婚式場の責任者などを経て取締役事業本部長に就任。2016年、株式会社リクシィを創業。ITを活用し、ウエディングに特化したソリューションの提供を行っている。

株式会社リクシィのホームページはこちら
https://rexit.co.jp/

リクシィが運営するウエディングサービス「tokihana(トキハナ)」
結婚式場やウエディングアイテム等の検索、LINEでの見積もり相談等も可能
https://tokihana.net/

受験勉強や大学時代で得た経験が仕事での挑戦を支えている

大学時代からIT事業に参画し、取締役に就任。現在は経営者としてウエディング業界に変革の波を起こしている安藤正樹氏。いまにつながる京都大学での日々や、受験生時代の生活について聞いた。

「本番直前に伸びる人もいる」
その言葉を信じて自分を奮い立たせた

自分で言うのも何ですが、高校時代はガリ勉タイプで、まじめに勉強していました。でも、成績はいまひとつ。通っていた学校ではいつも学年で200人中60~70位くらいでした。自分より優秀な人はたくさんいたし、だからといって部活や文化祭で目立つ活躍をしたわけでもない。親や先生に反発することもなく、いわゆるレールの上を走っているような、ごく平凡な高校生だったと思います。

京大を志望校に選んだのも、周囲が「関西なら京大」といった雰囲気が強かったからです。進学校だったので東大を目指す人もいましたが、自分にとってはハードルが高い。それで、とりあえず京大にしようと(笑)。法学部を選んだのも、他の文系学部に興味がなかったからという消極的な理由でした。

安藤 正樹 氏

受験勉強を始めたのは高2からです。最初は、「進学校に通っているんだから、予備校に行くのは“負け”」と考えるような変なプライドを持っていたのですが、途中でその思い込み自体が負けだと気づいて(笑)。予備校に行き始めてから勉強法が定着し、与えられた課題をこなして問題集を解くことを繰り返していました。

受験の直前は、1日14時間くらい勉強していました。高3の夏休み前、学校の面談で先生に「1日どれくらい勉強している?」と聞かれ、「10時間」と答えたら、「足りないね。14時間やりなさい」と。その後は、食事、睡眠、入浴の時間以外はほぼ机に向かっていました。

ただ、模試はほぼずっとC判定でした。精いっぱい頑張っているつもりなのに、手ごたえが感じられず、どこまでやったら合格できるのかもわからない。不安は尽きませんでしたが、「本番直前に急激に伸びる人もいる」という講師の言葉を信じて自分を奮い立たせていました。

当時受験したセンター試験は出来がよくなくて、ボーダーラインぎりぎりでした。ただ、2次試験では数学がかなり解けた感触がありました。問題集で何度も解いていたものと似た問題が出たんです。本当にラッキーでしたね。

在学中に会社を設立
役員経験が成長につながると感じた

法学部なので、大学の同級生には弁護士を目指す人が多かったのですが、弁護士になる気は最初からありませんでした。それまでレールの上を走ってきたので、「ここから先はそうならないぞ」という思いがあったんです。実は、1年生の法学入門の試験で7点しか取れず、「俺、法学に入門できへんやん」と思ったのも理由のひとつなんですけど(笑)。そんなこともあって、法律に興味が向かなかったんです。だからといって、何をやりたいのかもわからなかったのですが、漠然と「やりたいことをやるためには実力が必要だ」と思い始めていました。

そんな矢先、キャンパス内で「学生だけで会社を作ろう」というビラを見たんです。一気に興味がわきました。私も参画し、当時京大の3年生だった内藤裕紀さん(株式会社ドリコム代表取締役)を発起人として、学生同士が情報交換をすることなどができる掲示板サイトを運営。今でこそ、そのような場所は無数にありますが、当時はまだ珍しかったんです。

運営の過程で法人化し、内藤さんを社長として株式会社ドリコムを設立。私も在学中にドリコムの取締役になり、そのまま卒業したので就職活動はしていません。ドリコムの仕事が面白かったというのもありますが、一企業の社員になるよりも、役員として経験を積むほうが自分の成長につながると感じていたんです。実際ドリコムでは、日本でいち早くブログサービスを立ち上げたことで会社が発展。東証マザーズへの上場を果たすなど、ダイナミックな局面を経験することができました。