高卒生1.9万人の減少、
三大都市圏約56%の志願者動向が個別入試に影響も
2021年度第1回共通テストの志願者総数は535,245人で、前年度センター試験よりも22,454人減少しました(前年比-4.0%)。内訳は現役生が449,795人(2,440人の減少)、高卒生が81,007人(19,369人の減少)などとなっています。
高卒生志願者数の直近10年間の推移では、2019年度より減少に転じ、2021年度は最低を記録しました。比較的学力の高い層が含まれる高卒生1.9万人の減少は共通テストの平均点にも影響を及ぼすことも考えられます。
試験実施期日別の内訳は、本試験(1月16、17両日)が534,527人、追試験(1月30、31両日)が718人で、事前に第2日程を選択した受験生は0.1%と僅かでした。なお、第2日程の受験地で志願者が0人の県は次の10県です。〔青森・岩手・秋田・栃木・石川・鳥取・島根・山口・徳島・高知〕
今回、特例追試験が2月13、14両日にも実施されますが、その受験者は少なくなると予想されます。
地区別の志願者数(受験地別集計)を見ると、三大都市圏(首都圏・中京圏・近畿圏)の割合が55.7%と半数を超えています。この都市部の志願者が「Go To」ローカール大を目指すのか、あるいは「ステイホーム」で自宅から通学できる大学を選択するのかで個別大学入試の競争率も変化すると思われます。
都道府県別で、志願者数が3千人を切っているのは、徳島県(2,789人)、島根県(2,702人)、高知県(2,621人)、鳥取県(2,500人)の4県です。入試環境に不透明感が漂うと大半の受験生は、より合格可能性の高い大学に出願しようとします。こうした現役合格・進学の意識が今後も継続するようであれば、地方の大学でも狙われる可能性があります。