京大天文台特別講演@代ゼミ大阪南校「4次元デジタル宇宙シアター」

青木先生からメッセージ「宇宙への興味を持ち続けてほしい」

宇宙や天文学に興味がある生徒の中には、理系科目が苦手という理由であきらめてしまう方もいますが、そんな必要はありません。天文学は間口の広い学問ですから、異なる研究分野に進んでも最終的に天文学につながってくることはいくらでもあります。

たとえば、鎌倉時代の歌人・藤原定家の日記『明月記』は多くの天文現象が記されていることで有名ですが、中でも1054年に現れた客星(超新星)の記録は千年の時を超えて現代の最先端研究にも役立っています。

これからは理系と文系の垣根を越えて研究する機会もさらに増えるでしょうから、入り口にはあまりこだわらなくてもいいと思います。

これからの時代はアストロバイオロジー(宇宙生物学)が重要になります。宇宙に生命体はいるのか?生命はどこからやってきたのか?という根源的な問いを明らかにしようとする学問で、天文学や生物学、惑星科学、物理学など、幅広い領域にまたがる知識を総動員して研究が進められています。

2015年7月にはNASAが太陽系外惑星(ケプラー452b)の存在を発表するなど、近年は地球とよく似た惑星が続々と発見され、この分野に熱い視線が注がれています。

宇宙生物学はまだ新しい学問ですが、生命探査という壮大なテーマに向き合うものですからぜひ注目してください。これからも宇宙への興味を心の中に持ち続けて、さまざまな領域の学びを深めていただきたいと思います。

京都大学が誇る3つの天文台と望遠鏡

京都花山天文台本館

京都大学大学院理学研究科附属天文台は花山天文台、飛騨天文台、岡山3.8m望遠鏡(仮称/建設中/東アジア最大)の3つの天文台と望遠鏡を中心に、世界における天文学観測教育研究の拠点として大きな役割と期待を担っています。

なかでも日本で2番目の大学天文台として1929年に開設された花山天文台(京都市山科区)は “アマチュア天文学の聖地” と呼ばれ、愛好家はもとより一般市民にも広く門戸を開いています。

一般市民にも広く門戸を開いており、一般公開、京都千年天文学街道ツアー「京大花山天文台ハイキングコース」や「京大花山天文台らくらくコース」などへ参加すると見学できます。また、今後の安定的維持運営のため、京大天文台基金を設立し、広く一般の方々からのご支援を募っています。

※京大花山天文台ハイキングコースの体験レポートはこちらをご覧ください