京大現代文 :: 代ゼミ京大入試プレから見た答案作成アドバイス(2015年度入試)

代々木ゼミナールでは、京大入試を想定した「京大入試プレ」を年2回、夏と秋に実施しています。ここでは、2015年8月に実施された「第1回 京大入試プレ」受験生の解答例を通して、より高得点に近づくためのアドバイスを記載します。

京大現代文では、文学・哲学などを扱った、深みを持つ文章が出題されます。ジャンルは評論・随筆・小説いずれも出題の可能性があり、どんな問題が出題されても対応できるよう、幅広く学習することが必要です。学習の際には、模範解答を理解することはもちろん、自分の手で解答を書く練習を怠らないようにしましょう。

ここでは、受験生の答案例を示し、得点を上げるための重要なポイントについて解説します(すべての減点・加点について言及しているわけではありません)。

問3(理系は問2)8点

傍線部(3)はどのようなことを言っているのか、説明せよ。

生徒答案例(3点)

① 濫りに多くの本を読むことに意味はなく② 濫読をする中で自分の気質に適した読書法を見つけられる点において、③ 濫読は重要であるということ。

講評

まず、前半の ① と後半の ③ は “濫読には意味がないが、重要である” と読むことができ、内容が矛盾しています。答案作成の際には、自らの答案をもう一度読み直すなどして、おかしな日本語になっていないか、よく確認するようにしてください。

② で “濫読は自分に適した読書法を見つけることにつながる” ことが押さえられている点は評価できます。一方、傍線部以前において、濫読は「危険」をはらむもので、「濫読のうちに止まっていることは好くない」と述べられています。この流れを受けて「濫読はそれから脱却するための濫読であることによって意味を有する」と言っているので、③ のように、単に “濫読が重要である” という解答では内容がずれてしまいます。“なぜ濫読が必要か” に加えて、“どのような過程を経て濫読が意味を持つのか” を説明する必要があります。

模範解答

多くの書物を手当たり次第に読まなければ、自分に必要な書物はわからないので、誰もが最初は濫読するしかないにしても、それは自分に適した読書法を見つけ、真の読書家になるための手段でなければならないということ。

問5(理系は問4)12点

筆者は、「多読」「濫読」「博読」をそれぞれどのように考えているか、本文全体を踏まえて説明せよ。

生徒答案例(5点)

① 「濫読」も「博読」も「多読」の一種であり、「濫読」は自分の読書法を見つけ出し、真の読書家となるためには重要な方法である。しかし、本当に身につけるべきなのは、専門を持ったうえで他の分野についても知り、一般教養を身につける「博読」である。

講評

① で「多読」と「濫読」「博読」の関係を押さえられている点は評価できます。そこからさらに、「濫読」を抜け出して、専門的な読書という軸を持った「多読」をしてこそ「博読」になるという点まで、しっかりと把握しましょう。

また、「一般的教養は目的のない読書の結果である。……真の教養となるというには他方専門的な読書が必要である」などの記述から、「一般的教養」は「博読」の結果ではなく、「濫読」の結果として身につくものであることがわかります。こうした、一つ一つの言葉の関係性を丁寧に把握するように心がけましょう。

模範解答

自分に適した読書法を発明するには多読が不可欠である。多読には濫読と博読がある。濫読は初心者が書物を知るために必要な当てのない読書で、一般的教養も濫読の結果、身につく。しかし真の教養は濫読を脱し、専門的な読書を軸として専門外の書物も広く読む博読により身につく。

アドバイス

受験生の答案を見ていると、“方向性は合っているのにいま一つ踏み込めていない” という解答が多く存在します。国語において最も難しい点であり、時間制限のある中で完璧に仕上げるのは至難の業ですが、決して “なんとなく” でごまかさず、必要に応じて抽象化してまとめたり、言葉を補ったりして、内容をできる限り十全に表すよう心がけてください。また、今回の問5(理系は問4)のように、問題文全体を踏まえて答えさせる設問も、京大入試ではよく見られる形式です。個々の単語や文章がどのようにつながっているか、あるいは各段落の内容がどのように展開していくのかなど、全体を俯瞰して考える訓練を積みましょう。

さらに、今回は取り上げませんでしたが、京大入試では理由説明問題や比喩説明問題も頻出です。直接「どういうことか」と内容を問われない場合であっても、比喩表現の把握は読解・解答の上で非常に重要となります。意味が “なんとなく” つかめるレベルから一歩踏み込み、 “なぜこうした表現をしているのか” —— すなわち、語の選択の意図と問題文の内容との対応にまで注意して読むことが必要です。問題文に比喩表現が出てきた際には、特に注意して読解してください。