京大花山天文台レポート

天文と歴史のコラボ

今回参加したのは、「京都千年天文学街道ツアー」の一つで「京大花山天文台ハイキングコース」であった。

「京都千年天文学街道ツアー」とは、天文学をテーマに京都の名所や天文関連史跡などを巡りながら、平安時代からの京都での千年にわたる天文観測と天文学の歴史や、過去と現在の時を超えた天文学のつながりを知るツアーの総称であり、今回のハイキングコース以外にも小倉百人一首の選者・藤原定家の日記である「明月記」に記された天変と現代天文学とのつながりを扱った「明月記コース」や、江戸時代に日本で初めて独自の暦を作成した話にまつわる「暦合戦コース」、信長と天変の関わりを扱う「信長と天変コース」など様々なものが実施されているそうだ。

このツアー全般の大きな特徴として、天文学のガイド「天文博士」と歴史のガイドの2人が随行し、天文学と歴史両方の観点からわかりやすい説明を聞くことができる。私は天文が好きで、歴史は難しいと感じていたが、両方に興味を持って楽しむことができた。

自然科学的な考えが確立されていない時代においても星空の様子が日記などの形で残っており、それが現代の天文学の発展に役立つことや、逆に現在の天文学で当時の記録が何を示していたのかを確かめられることを初めて知った。

天文と歴史の意外なつながりがわかり、人類と宇宙の浪漫を感じた。天文と歴史それぞれの魅力が伝えられ、組み合わさることでより一層興味が引き立てられる「京都千年天文学街道ツアー」をぜひみなさんにもおすすめさせていただきたい。

ツアー以外にも、2〜3ヶ月に1回、京都大学総合博物館で天文講演と4次元デジタル宇宙シアターを体験できる「京都千年天文学街道アストロトーク」も開催しているとのことである。

京都千年天文学街道