2016年度入試から後期日程に代わり新たにスタートした東大推薦入試について、その最新入試状況をデータとともにお伝えいたします。
東京大学が初めて実施する推薦入試は11月2日〜6日に出願受付が行われ、11月9日にその注目すべき出願状況が公表されました。ここでは12月1日に発表された第1次選考の結果とあわせて見てみましょう。
2016年度 東京大学推薦入試 入学者選抜実施状況
学部・学科 | 募集人員 | 出願者数 (受領通数) |
志願倍率 | 第1次選考 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
合格者数 | 受験率(%) | 不合格者数 | ||||
計 | 100人程度 | 173 | 1.73 | 149 | 86.1 | 24 |
法学部 | 10人程度 | 24 | 2.4 | 24 | 100.0 | 0 |
経済学部 | 10人程度 | 7 | 0.7 | 7 | 100.0 | 0 |
文学部 | 10人程度 | 10 | 1.0 | 10 | 100.0 | 0 |
教育学部 | 5人程度 | 9 | 1.8 | 6 | 66.7 | 3 |
教養学部 | 5人程度 | 17 | 3.4 | 11 | 64.7 | 6 |
工学部 | 30人程度 | 47 | 1.6 | 44 | 93.6 | 3 |
理学部 | 10人程度 | 32 | 3.2 | 24 | 75.0 | 8 |
農学部 | 10人程度 | 12 | 1.2 | 12 | 100.0 | 0 |
薬学部 | 5人程度 | 4 | 0.8 | 4 | 100.0 | 0 |
医学部医学科 | 3人程度 | 9 | 3.0 | 5 | 55.6 | 4 |
医学部健康総合科学科 | 2人程度 | 2 | 1.0 | 2 | 100.0 | 0 |
全学部・学科を合計すると、募集人員100名程度に対して173名の出願がありました。倍率にして1.73倍と、一般入試(前期日程)と比較しても低調な結果となりました。これは、推薦要件のハードルが高く設定されていること、各高校の推薦可能人数が1〜2名(男子校・女子校は1名、共学校は男女各1名まで)と少ないこと、などが要因と考えられます。
また学部・学科ごとに見てみると、出願時点で募集人員を下回っている学部が2学部、また倍率が1.0倍となったのが2学部・学科と、東京大学にとっては厳しい結果になったといえます。本年度は全国の100近い高校からの出願があったとのことですが、来年度以降は、推薦入試への関心をよりいっそう高め、全国各地からさらなる出願者を募っていくことが東京大学の大きな課題となるでしょう。
第1次選考の合格者は全学部・学科で149名(合格率にすると約86%)、全11学部・学科中6学部・学科で出願者全員が第2次選考へと進んでいます。12月19日・20日の第2次選考(面接等)を経て、翌年2月10日に最終合格者が発表される予定です。
2016年度 東大推薦入試スケジュール
2015年
11月2日(月)〜6日(金) | 出願受付 |
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12月1日(火) | 第1次選考の結果発表 |
12月19日(土)・20日(日) | 面接等実施 |
2016年
1月16日(土)・17日(日) | 大学入試センター試験実施 |
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2月10日(水) | 最終合格者発表 |
2月11日(木)〜17日(水) | 入学手続 |
なお、推薦入試の最終合格者数が募集人員に満たない場合は、原則としてその不足数は前期日程の募集人員に繰り入れられます。また、推薦入試に不合格となった場合に備えて、前期日程試験との併願が可能です(推薦入試合格者で期日までに入学手続を行った者は、前期日程を受験しても合格者とはなりません)。
社会的に大きな注目を集める東大推薦入試。「東大研究室」では今後もその動向を常にウォッチし、最新の情報を随時お伝えしていきます。