英語は「英語運用能力証明書」で代替可能

京都大は2021年度一般入試の英語認定試験の活用について、出願者にはCEFRの尺度でA2レベル以上、もしくは高校等の学校長がA2以上と認める書類の提出が必要としています。後者の場合、大学所定の様式「英語運用能力証明書(案)」の発行で確認することになります。
この証明書は、授業での学習状況や校内の考査・試験の結果等から総合的に評価して、A2以上の英語の言語能力が備わっていると判断される場合に発行されます。A4判1枚で出願者の氏名と校長名・公印のみ、といったシンプルな証明書ですが、同様の様式は、東京大「英語力についての証明書(案)」、名古屋大「英語力についての証明書(案)」でも見られるものです。
もっとも、英語認定試験の活用方法については、大学によって対応が分かれています。東北大では昨年12月に、出願要件とはせず受験と結果提出は求めないとした発表がありましたが、北海道大でも今年になって、受験を出願の要件とはしない方針を表明しました。現時点では、受験料負担や受験機会の公平性等について課題が残るとの判断です。

国立大学協会では、すでに英語認定試験を「一般選抜」の全受験生に課す、という活用指針を発表しています。また、その活用方法は、①一定水準以上の結果を出願資格とする(例えばA2以上)、②共通テストの英語試験の得点に加点(例えば、点数をCEFR対照表に基づく水準ごとに定め、配点が英語全体の2割以上)、点数等は各大学・学部が設定、との参考例が示されました。この②にあたる方法を検討する大学は、北海道大などが指摘するように公平な受験体制の整備が不十分であれば広がりに欠けると思われます。一方、筑波大では、出願要件とはしていませんが、提出者については加点するとしています。加点制度を何らかの形で導入する大学は、現時点では少数にとどまっています。