京都大学工学部情報学科1回生 Y.T.さん(愛知高校 出身)

クローズアップ

Y.T.さんの成績開示情報公開!
自己分析と当日のメンタルの動きも再現してもらいました

成績開示を受け取ってみて、「まぁ、こんなものでしょう」というのが素直な感想です。比較的苦手な数学で何とか失点しすぎないよう踏みとどまって、フツウな国語とそこそこ得意な理科でそれを補い、ダントツで得意な英語で突き放して受かっていく、という現役時代からの構想がきちんと形に表れました。

まず、国語は比較的いつも通りでした。全体的に「何を答えさせたいのか分からない」性質が強めで戸惑いつつも、古典に思い切って時間を割いたのが功を奏したと思います。しかし後から見直すと、いわゆる「論理の飛躍」が出るわ出るわ…。直前に結構対策したんですけど、本番では本当にしみついた実力しか出ませんね…

数学は、正直「このテストにおける僕の最大点数」がきちんと出せた感があります。僕は数学がもともと苦手な方で、「詰まったら別の問題に飛ぶ」というある意味邪道な手法をよくとっていたのですが、今回は特にそれが効きました。計算力が大いに要求される問題が多く、「もうここからは計算でゴリ押すしかない!」と言う段階が早く訪れたのです。そこからは「ミスってないか、見落としてないか」と何十回も念じながら全神経を費やし、その他解ける部分もミスだけはないように見直し尽くしました。京大は論理のミスに非常に厳しいと聞いていたので…。あれ以上はどう転んでも取れなかった自信があります。

そして、最大の失敗は英語でした。「7割近くとって何が失敗か」と思うかもしれませんが、実は僕、和文英訳を半分やり残してしまったんです。点数はどうあれ、得意科目の時間配分に関してはあるまじき状況です。和訳はおおよそいつも通りだったのですが、英訳の難しいこと。いきなり「生兵法は大怪我のもと」ですよ?このひと言に10分近く使わされ、その後もできるだけ点を落とすまいとコムズカシイところの要求に応えようとしていくうちにスペースが足りなくなりかけて。「ちょっと落ち着こう」と新傾向の自由英作文と要約の問題に移るも「得意科目だからこそココで稼がねば!」と気負いし、時間をかけすぎてしまったのです。「しくじったかもしれない」と精神的大ダメージを食らいましたが、結果それなりに当たっていたようで本当に良かったです。

最後に理科。化学が英語に次いで得意だったので、そこでスタートダッシュをかけようと思ったら、これが恐ろしく難化していました。普段は大体記述問題以外は80分弱で解ききって物理に移り、双方の記述及びいったん飛ばした問題に手を出す戦略だったのですが、「今回は解ける記述も優先的に解いておかないと」と焦って解いた結果、気付いたら110分以上経っていまして…。京大物理を記述も含めて70分足らずで解く。これがどれほど恐ろしいことかお判りでしょうか。いわゆる物理の難問は、パズルの条件が複雑なだけ&計算が大変なだけの化学の難問に比べ、そもそもどこにどの法則を適用するかが分からず、合っているかどうか感覚的な保証がなくてとても不安なのです。内心真っ青になりながらも思い浮かんだのは、直前の休憩中に連絡を交わした後輩の応援でした。「あいつ、自分の受験翌日に、俺の合格祈願にわざわざ神社にまで行ったんだ。そこまでしてくれるやつ、まずいない!諦めるか!あと1時間駆け抜けてやる!勝負だ、京大よ!!

最初のページにもどってまずは力学…最初は公式通り、次も、あぁこうすれば解ける、そうすれば連鎖して……「あれ?簡単すぎない?」そうです。化学が激しく難化した代わり、物理はとっても簡単になっていたのです。最後の問題に到達するのに、70分どころか1時間も使いませんでした。ドップラー効果だけ連鎖的に失点しないよう十分見直してから、いつの間にか冷えた頭で化学を見直し「うん、やっぱわかんねぇ」

こうして僕の受験は終わったのでした。

成績開示DATA