医学部の格付けの基準として教育力、研究力、資金力、関連病院数、主任教授数などが挙げられ、それらの総体として大学の序列が形成され、入試難易レベルともある程度重なるところがある。
教育力の指標のひとつに国家試験合格率があるが、これは必ずしも大学医学部の総合評価と一致しない。例えば平成28年度の医師国家試験合格率では京都大が92.8%であるのに対し和歌山県立医科大は99.1%となっている。学部生に対する指導方針が大学によって異なり、特に私立大医学部では国家試験対策を重視し合格率を学生募集のPR材料にしているところもある。
卒後のキャリアに影響を及ぼす項目として医局での主任教授の出身大学数が考えられるが、歴史の古い医学部ほど多く、また関連病院も多い。あわせて資金力や研究力も高いと言えるので医学部の設立歴史を知ることが、その格付けを理解することにつながる。
関西地区では、旧帝大の京都大・大阪大が強い。
関西地区 医学部番付 | ||
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東 | 西 | |
京都大 | 横綱 | 大阪大 |
京都府立医科大 | 大関 | 神戸大 |
関脇 | 大阪市立大 | |
滋賀医科大 | 小結 | 奈良県立医科大 和歌山県立医科大 |
関西医科大 | 前頭1 | 大阪医科大 |
近畿大 | 前頭2 | 兵庫医科大 |
次に旧医科大の京都府立医大と旧医専の神戸大が優位にある。京都府立医大の歴史は明治5年に青蓮院(しょうれんいん)内の患者の治療を行う傍ら医学生を教育したところまで遡ることができる。京都私立洛星中学高校は医学部進学者が多い学校として知られているが、なかでも京都府立医科大への進学者が突出していることも京都でのブランド力の強さを示している。
神戸大医学部の前身は昭和19年設立の兵庫県立医学専門学校であるが、神戸大に移管したのは昭和39年と歴史は浅い。しかし神戸大全体としての知名度が医学部にも影響しており受験生の人気を押し上げている。
さらに旧医専で都市部の大阪市立大、地方の奈良県立医科大、和歌山県立医科大と続き、新設医大の滋賀医科大がくる。滋賀医科大は立地が京都に近いことも有利に働き、奈良・和歌山の県立大と大きな差は感じられない。
私立医学部は4大学。旧医専の大阪医科大、関西医科大が強く、新設医大の近畿大医学部、兵庫医科大が弱い。私立大の場合、学費を低くおさえると広く優秀な学生を集められるが6年間にかかる学費納入額はおおむね兵庫医科大・近畿大>大阪医科大・関西医科大となっている。
(入試情報室関西)