科目組み合わせパタンで平均点は明暗、理系5-7はマイナス基調、文系5-8はプラス
大学入試センターは1月18日に各科目の平均点(中間集計)を発表しました。それをふまえ主要科目について前年度の平均点(中間集計)と比較してみましょう。
主要3教科(国語・数学・英語)を見ると、英語・数学2科目の平均点は上がったものの、国語が20点以上落ち込んだことで、合計平均点は-5.25点となりました。理系・文系5教科型で比較的選択科目の多い組み合わせでそれぞれ合計平均点を出すと、理系7科目パタンで-4.77点、文系8科目パタンで+8.01点と理系、文系で明暗が分かれました。理科①では化学基礎・生物基礎の組み合わせで+13.33点であるのに対し、理科②では物理・化学の組み合わせで-1.62点となったことから、理系型での平均点ダウンとなっています。
地理歴史では日本史Bの平均点が下がったため、日本史Bと世界史Bとの間で6点差がつきました。なお、日本史Bでは写真点数が大幅に増加し視覚資料の重要性が高まっていますが、本年度の第4問では代々木ゼミナール作成のセンター試験対策教材とほぼ同一の出題がなされました。
京都大 出願時の留意点
センター試験国語の難化は京都大理系学部の出願動向に影響を及ぼすでしょう。国語が不出来であった受験生は、その配点が高い農学部を敬遠したり、影響度の低い理学部や総合人間学部(理系)への出願を考えるものも出ると思われます。
なかには大阪大と神戸大へ志望校をスライドさせる受験生もいるでしょう。大阪大理学部や神戸大医学部医学科では2017年度入試より国語の配点を下げました。こうした入試変更は出願先変更の選択要因となる可能性があります。なお、大阪大では前期日程で合計139人が増員されましたが、世界適塾入試で欠員が生じた場合は、その分がそれぞれの学部等の前期募集人員に加えられます。外国語学部と法学部の定員変動は大きなものになるでしょう。前述の神戸大医学科も前期定員が15人増となり注目です。
また、京都大医学部人間健康科学科では改組があり受験生の動きには注意が必要です。今回の改組で定員が2016年度から大幅減(ほぼ半減の70人)となり学科一括入試となります。看護やリハビリテーションだけでなく総合医療科学分野では幅広い領域での学びが期待され、理工系志望者からの流入も考えられます。さらにセンター試験の配点比率が下がったことで、2次試験で逆転を狙う受験生が加わる可能性もでてきました。
もっとも、京都大では人間健康科学科に限らず、各学部・学科とも2次試験の配点が高い。センター試験が多少想定外の自己採点結果であったとしても、京都大を第一に考え入試対策を行ってきた受験生であれば、弱気になって安易に他大学へ志望変更するのではなく、今までの京都大入試問題攻略の積み増しをはかり試験に挑んで欲しいと思います。