「医学部を語る〜首都圏私立編〜」イベントレポート(2016年夏実施)

現役医学生からのアドバイス

現在私立大医学部に通う先輩方より、医学部現役合格を目指す皆さんへのアドバイスなどをお話しいただきました。

東京医科大学 医学部医学科 Oさん

医学部を目指した理由

もともと人と接することが好きで、そのような仕事に就きたいと思っていました。

高校1年生の時に進路を考えた際、生涯を通して続けられる職業に就きたいと考えました。また、同時期に教科書で「国境なき医師団」のエッセイを読み、目の前の命を自分の手で救うことができることが素晴らしいと思い、医学部を志すようになりました。実際の入試の面接の時にも、このように正直な志望動機を話しました。

東京医科大学を選んだ理由

都内の私立大を目指していて、模試でB判定とC判定が出ていた安全校を3校、D判定の目標校を2校、モチベーションを保つために受験を決めていた記念受験校を1校の計6校を受験しました。

そして合格した学校の中から、自宅からの通いやすさと学費を考えて東京医科大学を選びました。

受験生時代にしていたこと

直前期は1日12時間勉強をしていました。私は自宅だと怠けてしまうため、予備校で勉強をするようにしていました。毎日同じ時間に自習室へ行き、同じ時間に帰るようにしてルーティーンを作りました。また、疑問点があってもすぐに先生に質問できる環境が自分にとってベストでした。

苦手科目については、最低ラインと思われるところまで上げるように勉強しました。英語が苦手だったのですが、それを並みのレベルにまで持ってきて、得意の数学を武器にしようと思いました。

苦手科目を潰すには、問題集を一冊終わらせることが有効であると思います。

一冊の問題番号を全て書き出して、その日のうちにできた問題は×を、手を付けたけれどもできなかった問題は△をつけて、全て×にすることを目標にして取り組んでいました。その結果、自然と成績が上がりました。

やっておけば良かったと思うこと

願書にボランティア活動欄や取得した資格を書く欄があり、そこが空欄だとイメージが悪いと感じたので、何かやっておけば良かったと思いました。

結局地元のクリーン活動に参加したことを書きましたが、このような活動は面接時の良い話のネタにもなると思います。

学生生活について

学校が新宿にあり、立地が良いです。3・4年生になると西新宿キャンパスに移動しますが、駅直結で交通の便も良いため満足しています。

また、2018年に20階建ての新病院が建設されるため、そこで実習できるのを嬉しく思っています。

受験生へのメッセージ

受験生時代は、合格できないのではないかと不安な気持ちで勉強をしていましたが、家族など周りの支えのおかげで合格することができました。

受験勉強は辛かったですが、今はとても充実した学生生活が送れているので、頑張って良かったと思っています。みなさんもぜひ頑張ってください。

東京慈恵会医科大学 医学部医学科 Nさん

医学部を目指した理由

小学生のころ、よく遊びにいっていた祖父母の家でNHKのドキュメンタリーを見たことがきっかけです。それに出ていた脳外科や心臓外科の医師がかっこ良くて、憧れを抱きました。

高校2年生の秋になって進路を考えた時、その小学生の時の気持ちを思い出し、医学部受験を決めました。

受験生時代にしていたこと

私は受験勉強を高2の秋から始めましたが、医学部を目指す人の中では遅い方だったと思います。自分の中でも出遅れた、という意識があったので、どういう勉強をしたら良いのかを大学生のインストラクターや先生に相談をしました。そこで教えてもらった勉強法の中から自分に合ったものを実践しましたが、どうしたら効率良く勉強が出来るかを常に考えていました。受験生の皆さんには、復習するにせよ、予習するにせよ「身に付けた知識をどう使うか」ということを常に念頭に置きながら勉強をしてほしいと思います。

また、医学部に合格するためには高い得点率が必要になるため、苦手科目はディスアドバンテージになってしまいます。私は英語が苦手でしたが、それを克服するために地道に単語の暗記や長文の演習を繰り返し勉強しました。その結果、過去問演習などで基礎的な問題が解けるようになり、また「ここまでは得点したい」と思うような点数まで伸ばすことができました。苦手科目こそ、正面から向き合って潰していくことが大切だと思います。

大学について

1年生の時から学校外へ実習に行くことができるなど、慈恵医大には多くのプログラムがあります。

例えば特別支援学校へ1週間ほど実習に行ったり、地域の児童館で子育て支援の現場を見学したり、訪問看護ステーションでナースについてどのような仕事をしているか見せてもらったりして、地域にどのような医療支援があるかを見ることができました。

このような体験は将来医師になった時に活かしていきたいです。

また、学校の立地にも満足しています。

受験生へのアドバイスと経験談

私から受験生へのアドバイスは4つあります。

第1に受験勉強中のモチベーションを切らさないことです。「クラスメイトに勝ちたい」「この大学に受かりたい」と様々なモチベーションがあると思うので、それらを維持し続けることが大切です。

第2に復習や基礎固めはおろそかにしないことです。医学部を目指すからといって特別難しいことをするのではなく、基礎固めを心がけてください。基礎があって初めて応用問題を解けるようになると思うので、基礎を大事にしてほしいと思います。

第3に毎日コンスタントに勉強を続けることです。やる気の有る無しに関わらず必ず毎日机に向かうことが大事です。勉強していればやる気は出てくると思いますし、やる気がないからといって何もしなかったらやる気が出るきっかけが無くなってしまうと思います。

そして最後に理科に力を注ぐことです。実際、私は理科のおかげで受かったと思えるような学校が複数校あります。私大医学部は理科の配点が高いので、高3になる前に理科を始めることが重要です。

また、自分の保護者についての経験談ですが、私の両親は自分のことを暖かく見守ってくれるような親で、勉強についても特に口出しされませんでした。「模試どうだった?」や「困っていることない?」と声をかけてくれる一方、自由に勉強をさせてくれたことで信頼されていると感じることができました。受験生は不安の中で勉強をしていますので、そうした家庭環境が心の支えになると思いました。