東大入試概況2016「志願者数と志願倍率」

科類別の志願状況

16年度の特徴は、科類ごとの志願者の増減幅が非常に大きかったことです。

文科では、昨年度第1段階選抜を実施しなかった文三に志願者が集中して+17.3%となった一方、文一は-7.9%、文二は-4.3%と減らしました。このように、センター試験で第1段階選抜通過がきわどい得点になってしまった受験生の動きが科類ごとの志願者の増減につながっていく傾向があります。

理科は、理三が+13.5%と大幅に志願者を増やした一方、理一で-3.7%、理二では-10.6%と減少しました。理三は、13年度から2年連続で志願倍率がダウンしていたことに加え、15年度の第1段階選抜合格者最低得点率が72.8%と、千葉大医—医(77.2%)や横浜市大医—医(76.8%)よりも低く、理科の3科類の中でも最も低かったため、医学部志望者、東大志望者のいずれからも狙われやすかったと考えられます。

理三は言うまでもなく医学部の中で最難関であり、最終合格の最低得点率が東大の他の2科類よりもはるかに高く、仮に第1段階選抜をクリアしても最終合格に至るのは他の医学部や東大の他の2科類よりも困難なのですが、まずは門前払いを避けて2次試験に進みたいという受験生の心理が現れています。