京大と阪大 一般入試 2017年度志願状況

京大一般入試 2017年度志願状況

京都大 前期志願者数は漸減傾向 4年連続のマイナス

京都大前期日程 志願者数の推移

京都大の2017年度前期日程の志願者数は7,875人で前年度より154人減少しました。2013年度に8,460人の志願者を集めて以降、漸減傾向にあります。近年、受験生の大学選択に安全志向がはたらいている要因もありますが、総志願者数の6割を超える理系学部の動向が大きく影響しています。

京都大 2017年度志願状況(前期日程)

志願倍率では大きくはね上がったところもあります。教育学部は募集人員が文系学部で最も少なく54人、人間健康科学科では改組により大幅な減員となりました。そこに志願者が集まり、倍率は予告枠の3.5倍を上回り第1段階選抜が実施されました。もともと募集人員の少ない学部、学科は入試変更等で高倍率に振れることがあるので注意が必要です。なお、特色入試入学手続者をふまえた最終的な一般入試の募集人員は2,687人となり、当初より29人増加しています。

京都大 2017年度第1段階選抜実施状況(前期日程)

学部別に見ると、文系学部で志願者が増加しています。文科省・厚労省の調査資料によると、大学卒業者の就職率も上昇傾向にあり、文系、理系による差異も感じられなくなってきていることが背景にあります。文学部(増減指数112)、教育学部(131)、経済学部(110)での志願者が増え、受験生の学部選択にも広がりが見えます。

大卒者の就職率の推移(2016年4月1日現在)

理学部(94)、工学部(98)、農学部(80)では志願者が減りました。この理系3学部合計で271人の志願者減少となっています。農学部は一時全国的な学部人気もあり理系女子受験生の受け皿として京都大でも志願者を集めましたが2015年度を境に減少に転じています。

農学部前期日程 志願者数と倍率の推移

一方で、人間健康科学科は改組が受験生に評価されたと言えそうです。従来の4専攻が廃止され、新たに総合医療科学・先端看護科学・先端リハビリテーション科学の3コースが設置されました。入学後1年半は共通の医学・医療に関する基礎教育を受け、2年次後半から学生の希望する進路選択が可能な制度になっています。各コースの定員は特に設けられておらず、入学時や入学後の成績に関係なく各自の興味・関心に従って進めるのが特徴です。

京都大医学科は変化なし 関西地区の医学部は志願者増も

京都大医学部医学科の志願状況は毎年安定しており、2017年度も志願者331人(前年330人)、倍率3.2倍(3.1倍)となりました。難関学部であるために志願者層が固定化され変動が起こりにくくなっています。

関西地区 国公立大医学部医学科 2017年度志願状況(前期日程)

関西地区の国公立大医学部は京都大を含め8ありますが、これらの志願者数を合計すると前年より224人増加しています。2017年度は大阪市立大(118)、奈良県立医科大(170)、和歌山県立医科大(120)で集まりましたが、いずれもセンター試験での国語の配点割合が低い大学です。本年度はセンター試験国語の平均点が大きくダウンしましたが、2次試験に向け少しでも有利な持ち点を確保するために受験生が出願先を変えたと思われます。