第1部 東大の教育システム(2016年度「東大を語る」イベントレポート)

グローバル化への取り組み

東大は教養教育のみならず、外国語教育にも力を入れています。ここではそのカリキュラムの一部をご紹介します。

習う英語から使う英語へ

ALESS/ALESAは、1年生全員が夏学期あるいは冬学期のいずれかで履修しなくてはならない必修科目です。受講者は、ネイティブスピーカーが担当する少人数クラス(1クラス15名程度)に所属します。それぞれ独自に開発されたカリキュラムに基づいて授業が行われます。目標はいずれも論文を執筆することにあり、ライティング能力の向上を図ることがメインです。

ALESS(理系)
  • 化学実験が題材
  • 世界標準の形式にあう論文執筆
  • 口頭での発表や質疑応答を行う
ALESA(文系)
  • 多様な学術テーマを扱う
  • 論理的な文章を執筆
  • ディスカッションで運用力を鍛える

一方、話すこと・聞くことに特化した必修科目にFLOWがあります。議論などを通じて、アカデミックな場面における実践的な英語運用力の向上を図ります。

FLOW
  • スピーキング能力の向上を図る
  • 話すこと・聞くことに特化した授業
  • アカデミックな場面において、口頭で意見交換や議論ができることが目標

第2外国語を学ぶTLP

TLP(トライリンガル・プログラム)とは、第2外国語(中国語・ドイツ語・フランス語・ロシア語)の運用能力を集中的に鍛えるために設けられたプログラムです。

受講を希望する際は、入学試験時の英語の得点が優れていることが条件となります。対象は、一定レベルの英語力を有すると認められた学生(入試の上位1割程度)のみです。つまり、このプログラムへの参加を志す場合は、ただでさえレベルの高い東大入試において得点上位を目指さなくてはならないことになります。

3か国語を話せてはじめてグローバル人材と呼ばれるのが昨今の風潮です。将来的に語学を活かしたいと考えている人ほど、入学前にしっかりと英語を固めておかなくてはなりません。