志願者数と志願倍率

科類別の志願状況を見ると…

科類別の志願状況を見ると、志願者が増加したのは文一・文二・理一の3科類で、特に文一は前年比+6.8%と大きく増加しています。文一は文科最難関の科類であることから志願倍率の変動が激しく、高い時には4.0倍を超えることもありました。

志願倍率(前期)

しかし、13年度は志願者が大きく減少し、志願倍率は第1段階選抜実施の基準となる3.0倍を下回る異例の事態となりました。ここまで志願者が激減した要因としては、センター試験が難化したことを受けて文一を敬遠する受験生が多かったことや、文一からの主な進学先である法学部の人気が低下していたことが挙げられます。

その後は2年連続で志願者は増加しているものの、本格的な人気回復と言える水準には至っていません。また、文二・文三の志願倍率も近年は3倍台前半での推移が続いており、14・15年度は、文科における志願倍率の差はそれほど大きくありません。

これに対し、理科の志願状況は比較的安定した状態が続いています。理一・理二の志願者数は昨年から大きく変化することなく、志願倍率は、理一が2倍台後半、理二が4.0倍前後で推移しています。特に理一はこの状態が20年ほど続いており、年度による変動がほとんどありません。

志願倍率はセンター試験の難易度や学部系統の人気によって変動するのが一般的ですが、理一は常に安定して志願者が集まっていると言えます。この2つの科類に比べると、理三の志願者の変動(前年比-5.5%)はやや大きいものとなっています。

理三の主な進学先は医学部ですが、近年は医学部人気が非常に高く、入試でも高倍率の状態が続いていたため、今回の減少はその反動と考えられます。実際に、他の国公立大学でも同じような変動が見られ、国公立前期全体における医学系の出願指数は、前年比-4.6%となっています。しかし、志願者がやや減少しても倍率は5倍近くあり、最難関の狭き門であることに変わりありません。